遺伝子工学の基礎用語
DMSO: dimethyl sulfoxide。 vehicleとして用いられる。negative control 溶液となる。DMSOの%は被験物質を含む溶液と同じでなければならない。
SV40:simian virus 40. パポーバウイルス科に属するDNAウイルス。1960年に不活化ポリオワクチンの中から見いだされたもの。代表的な小型DNA腫瘍 ウイルスの一種.luc2を強制発現させる。
TK: 実験のためのレポーターベクターと、内部標準としてTK(tymidine kinase)プロモーターの支配下にあるウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子を含むコントロール・レポーター・ベクターを共トランスフェクションする。???? hRlucを強制発現させる。
luc2、hRluc:ルシフェラーゼ遺伝子。luc2:ホタル(Photinus pyralis、fire fly) のルシフェラーゼのタイプ。hRluc:ウミシイタケ(Renilla reniformis)のタイプ。
Double Digestion: 2種類の制限酵素を同時に用いて基質DNAを切断する時間を節約する方法. 有効な酵素活性が得られる共通のバッファーの存在が必要。
マルチクローニングサイト:レポーターベクターのなかでも様々な制限酵素に認識される配列が存在する部位。これを適当な制限酵素で切断し、外来のDNA配列を挿入する。
Nested PCR: 一組のプライマー対で増幅される標的配列の内側に第2のプライマー(Nested PCR)をデザインし、最初のPCR(first PCR)で増えた生成物を希釈して新たな鋳型とした第2のPCR(Nested PCR)を行う.哺乳動物などゲノムサイズの大きな生物の全DNAを材料として、コピー数が特に高くない遺伝子をPCRによって検出しようとする場合、用いたプライマーと類似の配列がほかにもたくさん存在してくるため、それを避ける場合に有用。非特異的断片を含むPCR生成物を鋳型にしてNested PCRを行うと、非特異的な断片のなかにNested プライマーに類似した配列が存在する確率が極めて低くなるため、非特異的増幅の“ノイズの海”から標的配列のみをうまく拾い出してくることが可能になる。したがって、バックグラウンドが出やすいPCRの場合に有効な方法となる.
HEK293細胞:Human Embryo Kidney Cell.単にヘックセルとも呼ばれる。ヒト胎児腎臓由来の細胞。培養、トランスフェクションが容易。細胞そのものが重要でない実験で重宝される。アデノウイルスベクター作成にも使用される、
Gradient PCR: 最適なアニーリング温度の決定が困難な場合,少しづつアニーリング温度を変えた条件で同時にPCRを行う事。典型的にはアニーリング温度が高くなるにつれて、ターゲットの増幅量が増え、一方で、非特異的な増幅は減少する。
CIP処理: calf intestine alkarine phospatase CIAP処理とも。ライゲーションにはリン酸基が必要。5`突出末端の場合、5`にリン酸基がある。このリン酸基をCIP処理で脱リン酸化すると、ライゲーションできなくなる。ベクターをCIP処理することでセルフライゲーションを防げる。インサートDNAはCIP処理しないので、インサートとのみ結合する。Double digestionの場合はCIP処理は不要。
付着末端:XhoIの場合、[5`-CTCGAG-3`]を、[C/TCGAG]というように切れ、5`末端の方が4塩基突出している。酵素によって、3`突出末端や、平滑突出末端もある。
CIPの脱リン酸化は、この末端の形状で、条件が変わる。5`末端は容易に脱リン酸化できる。
サブクローニング:クローニングしたDNAから目的の部位のみ切り出してさらにクローニングする事。
TAクローニング: Taqポリメラーゼ、Tthポリメラーゼは、平滑末端に1塩基だけ付加するTdT活性(terminal deoxynucleotidyl transferase)を持つ。これを利用して、T配列を末端に持つベクター(Tベクター)と結合させる。KOD plusは、平滑末端(blunt end)の為、できない。 LA Taqはできる。